今日見かけた救急車、あれはホンモノですか?(仮)

ハッとしたことを何事も無かったかのように伝えるブログ

師匠

5時32分発の京阪電車

座席の隣には
白髪のおばあちゃん。

すぐ横にはかばん、杖、水筒。
座席に置いている様子を見ると
後で知人が乗ってくるんだろう。

枚方公園。
全身黒ずくめで紫の髪のおばあちゃん。
キューサイの青汁の話をしている。

光善寺
オレンジのネルシャツを着たおばあちゃん。
どこぞのヒアルロン酸
月に一回飲むだけで、最高にキレイになると
話している。

香里園。
サイズが合っていないスーツを着た
黒髪のおばあちゃん。
キトサンダイエットの話。
全く効果が無いと言いながら
ピーナッツを食べている。

この組織は
どこまで膨れ上がるのか。
もう座席には座れないぞ。

寝屋川市
ニットキャップを被ったおばあちゃん。
デスノートの話をしている。
当然、吊り革につかまり立ち。

萱島
リュックを背負ったおじいちゃん。
師匠と呼ばれているので
何かを教えているのか。
年齢や立場的に
誰かが席を譲ってもおかしくない。
でも誰一人として声すらかけない。
当然、吊り革につかまり立ち。

膝が痛い話をしている。
目がかすむ話をしている。
うどん食べてるときに
むせて吐いた話をしている。

いたたまれず、師匠の方を見て
どうぞ、と席を譲る。
ありがとうねーと言いながら、
ニットキャップが座った。

一瞬、こっちに足を踏み出す
そぶりを見せたので
座らない主義ではないだろう。

敬われない師匠。
潤った目が悲しい。