今日見かけた救急車、あれはホンモノですか?(仮)

ハッとしたことを何事も無かったかのように伝えるブログ

折れたポール

小学生生活、
最後の誕生会。

前日にオカンから
「明日の誕生会、何食べたい?」
と聞かれたので
お寿司が良いと回答。


当日、11人が朝に集合。
なぜか声をかけてないヤツと
その弟が混じっているが
今日は記念すべき誕生日。
良しとする。
そんな時代だった。

高いところから飛び降りたり、
暗いところをはいずり回ったり、
散々遊んでから僕のウチへ。

みんな腹をすかせ、
次々と席につく。

大きな切り株のテーブルの上には
30カンほどの握り寿司が。
どれを取るか、
誰もが目を光らせている。

いただきまーすの「す」にかぶせるように
11人が一斉に手を伸ばした。

招いていない二人がそれぞれ
マグロを取っていた。
一番人気のマグロが、招かれざる客の手に
渡ってしまった。


おそらく、3分ほどで
すべてのお寿司は無くなったと思う。
そのあとすぐにケーキが出てきた。
僕含め、みんな騙されたような
顔をしていた。


どちらかと言うと、裕福な家庭だったと思う。
では、なぜ30カンだけだったのか。
心の整理をつけるべく、
キッチンにいるオカンに聞いてみた。

足りると思った、と。
だからカラアゲにしたら良かったのにと
むしろ逆ギレされた。

目測を見誤るにしても
これはないやろうと言ったところで
お母さんも忙しいんやと
そそくさと立ち去ってしまった。
息子の誕生日で、わずか30カンの寿司を
取り合い、罵り合っているさまを
オカンはどう見たのか。


帰り際、誕生日プレゼントを
返してくれというクレームが3件。
もちろん応じはしない。

招いていない二人には、
明日でいいから誕生日プレゼントを
持ってこいと伝えたところ、
泥ダンゴと半分に折れた立入禁止のポールを
うやうやしく持ってきた。

立入禁止のポールは、
走谷公園で落ちてたの知ってるぞ。

そういう時代だった。