今日見かけた救急車、あれはホンモノですか?(仮)

ハッとしたことを何事も無かったかのように伝えるブログ

誕生会

シゲル、マサヤン、オズ、カンミン、
マコ、ツボヤン、カメヤン、ドッチョ、
カークン、ヒロチャン。

総勢10人の
仲良い友達が僕のウチに。

なぜなら今日は
僕の11歳の誕生会。

プレゼントの大半が
当時ブームだったミニ四駆
ファイアードラゴンが3台あった。
ドッチョは、少年ジャンプだった。
しかも先週号。

カラアゲ、おむすび、
サラダにヤキソバ。
腹一杯食べたあと、
僕は言った。

「みんな、俺に着いてきて」と。

割と広い家に住んでいた。
トイレが一階と二階に一つずつ。
ちょっとした豪邸だ。

家の中を案内。
自慢したかったんだろう。

全メンバーを引き連れ
一段飛ばしで階段を登る。
無意味に手をついてみたり。

二階に上がり、
両親の寝室、子供部屋、
客室、居間、トイレ、
そして三階のロフトも案内。

へー、すごいなーという優越感に浸りつつ
二階を一通り案内し終え、階段に差し掛かる。

おもむろに、
階段の立派な手すりにまたがり
「こう降りるんやで」と
インディジョーンズばりに
お尻を下に向け、滑り降りた。

が、階段の手すりのすぐ横に
家を支える大きな柱があり
手すりとの間で太ももが
挟まった。

でも予想どおり。
いつも挟まった後は
抜け出せるのだから。

が、その日はなぜか抜けない。
動いても動いても。
飯食い過ぎたか。

シゲルが引っ張ってくれた。
でも、僕の太ももは
全く抜ける気配がない。

オカンが来て、引っ張る。
抜けない。痛くて足がもげそうだ。
しかも手すりにまたがっているため
股間もひどく痛む。
恥も外聞もなく泣きじゃくる。

みんなでヨイショと引っ張る。
手が空いている人は
ガンバレガンバレと励ましている。

なんだこの誕生日会は。
なぜこうなってしまったのか。
カオスだ。

オカンがサラダ油を持ってきて
僕の太ももに塗りたくる。

かすかに動くが抜けない。

ゴールが見えないため、
みんなには帰ってもらった。
帰り際、僕のこの姿を
みんなはどう見たのだろう。

おばあちゃんが下敷きを持ってきた。
油でヌルヌルにして、太ももと
手すりの間に差し込んだ。

すると、太ももがスルッと抜けた。

抜けた!
歓喜に沸いたそのとき、
ピンポーンとチャイムが鳴る。

扉を開けると
ドッチョが立っていた。

どうしたん?と聞くと
「抜けて良かったなあ。
さっきあげたジャンプ貸して」と言ってきた。

少し迷ったが、
先週号やしいいよ、と言って
貸してやった。