今日見かけた救急車、あれはホンモノですか?(仮)

ハッとしたことを何事も無かったかのように伝えるブログ

和歌山にて。つづき

「こんなところ、お年寄りは無理やで」

恐らく、夫婦間で10回ほど

この言葉を繰り返しながら、

何とか那智の滝までたどり着きました。

 

いやぁ、那智の滝はスゴイですね。

みんなが挙って、ナチノタキ、ナチノタキと

言うのも分かりました。

 

ただ上から水が落ちてくるだけなのに、

なぜ心を動かされるのでしょうか。

 

そんなことを言いだしたら、

キリが無いですよね。

 

会社に遅刻しそうになり、急いで向かうことと

パンッと鳴った合図で100mを9秒台で駆け抜けることは

どちらも走るですが、全く違います。

 

目、鼻、口、耳など

同じパーツなのに大きさや位置が違えば

見え方は異なりますし。

 

そういえば昔、

マガジンで一世風靡した野球マンガ

名門!第三野球部」ってのがありました。

 

そこで出てきたピッチャーが

惜しくもプロになれないと分かった場面で

謎の老人スカウトマンが、こう言うのです。

 

「あと5cm、内角に投げれたら、あいつはメジャーリーガーじゃ」と。

 

同じボールを投げる人でも

かたや、カリフォルニアに大豪邸を建て、

かたや、週末の社会人野球でエースという

全く異なる人生をおくります。

 

てなことを考えながら、那智の滝を後にしました。

 

駐車場まで、また30分以上かけて

もどらなければなりません。

 

家族みんな、ヘトヘトです。

 

そんな時、お土産物屋さんが目につきました。

家族連れ6人に、何やらまくしたてています。

 

「これな、その辺の店やったら石を黒く塗っただけやけど

うちのは本物の那智黒石やで。」

 

「ボク、これ持ってみ。どっちが重い?そうやろ。

それが那智黒石やねん。」

 

「はい、奥さん。これ見て見て。どっちが那智黒石やと思う?

そうやろ。那智黒石は輝きが違うねん。」

 

「ほらほら!音聞いてみ。な?違うやろ?」

 

「ほら!わかるやろ?手触りが違うんや。」

 

と熱弁を奮ったものの、

既に家族は散り、残ったのはおばあちゃん一人。

 

だって、那智黒石の価値が分からんし、

どっちが本物とかどうでもいいし。

 

でも、「たった5cmのコントロール」をわずかな差と思うように

那智黒石の違いも、見る人が見れば分かるのでしょうか。

 

フッと一息ついた店のおじさんの後ろに貼ってあったのは

那智黒石を手に持った、きんさんぎんさんのポスター。

「本物は、やっぱり黒い」とキャッチコピー。

 

違いがわかるきんさんぎんさん

長生きするもんですね。

 

それでは、また。