今日見かけた救急車、あれはホンモノですか?(仮)

ハッとしたことを何事も無かったかのように伝えるブログ

水泳大会にて

中学2年の頃、

毎週火・木と週二回、

スイミングスクールに通っていました。

 

本職はサッカー部でしたが、

心肺機能を鍛えたかったため、

親に無理言って入会させてもらいました。

 

実は幼き時代、ぜんそく持ちだったため、

スイミングに通わされていました。

 

当時はイヤでイヤで仕方が無く、

電信柱にしがみついて行くのを拒んだりしていましたが

だんだんと浮遊感が心地よく感じるようになり、

水泳にはまっていきました。

 

当時、学校の授業で実施されていた

25m自由形や平泳ぎなどのランキングでは、

ほとんどの種目で10位以内には名前が載っていて

しかも種目によっては水泳部よりも上だったりしたので、

「サッカー部やのに、水泳部よりも速いなんてすげえやん」と

こっそり言われて、ほくそ笑んだりしていました。

 

ところで、僕の通っていたスイミングスクールは、

オリンピック選手を輩出するなど、

なかなかの名門でした。

 

そこでは年に4回、スクール主催の大きな大会が開催されていて、

入賞すれば、地元の新聞に載るほどの高い知名度を誇っていました。

 

しかし大会を開催しているのは知っていましたが、

僕はあくまでもサッカー部なので、出場したことはありませんでした。

 

ある日、水泳部の先生から呼び出され、

「お前、スイミングスクール行ってるらしいな。秋の大会出んのか?」

と唐突に聞いてきました。

 

出えへんよ、だってサッカー部やしと回答したところ、

「なんか、タカがメドレーメンバーでお前を誘おうかなって言うてたぞ」と

情報提供を受けました。

 

タカは同じスイミングスクールに通っている帰宅部の同級生。

その日の放課後、声をかけられ、

ビックリマンシールヘッドロココをくれるとのことでしたので、

出場することになりました。

 

大会当日、夕方からの出番なのに午前中にみんなで公園に集まり、

走り込みをしたり、ストレッチをしながら

「絶対に優勝しような」と意気込んでいました。

僕は割と流されやすいので、当初はそこまでアツい思いは無かったのですが

一緒に大きな声を出して士気を高めていました。

 

そしていよいよ夕方。

順番は、タカが一番手で僕がアンカー、

レーンは4レーン。17:15からの1組目のレースになります。

 

大会最後のレースなので、観客も大盛り上がり。

 

しかし、1組は優勝候補のチームや

ジュニアオリンピックで全国3位の強者がいるチームなど

激戦区の組に入ってしまいました。

 

それでも、絶対負けへんぞ!とみんな強気でした。

 

コールされ、いよいよレースへ。

とにかく死ぬ気で泳ぐ。

もう、手と足がちぎれるくらい動かしまくる。

そんな作戦でした。

 

タカがスタート台に立ちます。

しーんとなり、「位置について」の声が響きます。

「ヨーイ、パンッッ!」

始まりました。

 

スタート時こそ、5位だったものの

3位まで追い上げ、第二泳者へタッチ。

第二泳者も3位のままで折り返し、第三泳者へ。

 

第三泳者、さらに大健闘。

2位とのキョリが3メートルに縮まりました。

 

タッチまで5メートル。

3、2、1、タッチ。

思いっきり遠くへ飛び込みました。

前へ、もっと前へという気持ちでおもいっきりジャンプしました。

が、着水した瞬間に、ゴーグルが鼻と口の間にズレました。

 

それでも死にもの狂いで泳ぎます。

まったく見えません。それでも手と足を懸命に動かし泳ぎます。

 

何かにぶつかりました。

しかも、おもいっきり。

 

隣のレーンの折り返しの人でした。

どうやら僕は飛び込んでゴーグルが外れた際、

死にもの狂いで進んだ先が隣のレーンだったようです。

 

これは失格。

隣のレーンの人にも大きな迷惑をかけてしまいました。

 

とっさにチームメイトを振り返りました。

それが、人生で一番初めに見た

「茫然と立ち尽くす姿」です。

 

その日の帰り、タカの父がみんなを王将に連れて行ってくれました。

 

やっちまった僕が言うのも何ですが、「王将、最強」と言っているみんなを見て、

「元気になって良かったなあ」と思った次第です。