今日見かけた救急車、あれはホンモノですか?(仮)

ハッとしたことを何事も無かったかのように伝えるブログ

10回クイズ

マモルくん、コウジくん、ヒロちゃん、そして僕。

僕が幼稚園の頃、大阪市内から引っ越してきた頃からの友達で

何をするにも4人、いつも一緒に行動していました。

 

小学2年の夏休み。

いつものように駐車場に集合。

当時流行っていた「10回クイズ」を

4人で出しあいっこ。

 

でも毎日やってるので、

みんな新作に飢えていました。

 

「ブックス太陽(京阪光善寺駅前の本屋)見に行く?」

耐え切れず、コウジくんが言いました。

 

いったん解散し、一人200円ずつ持って再び集合。

チューチュー片手に自転車に乗って

光善寺駅へ向かいました。

 

ブックス太陽には、

僕たちの知らない10回クイズの本が

少なくとも5種類はあり、

みんなテンションが上がっていました。

 

どれするどれすると口々に言い、

結果、リーダー格のマモルくん一押しの

「絶対保存版 10回クイズ88」という

最も分厚い本を買うことになりました。

 

そして本日三度目の駐車場集合。

一日ごとに回し読みしようということになり、

ジャンケンをすることに。

 

初めはあいこ。二度目でなんと僕の一人勝ちでした。

たぶん、小学生時代嬉しかったベスト10に入るほど

嬉しかったです。

 

帰宅後、さっそく妹や弟に出してみました。

当時、妹は4歳。弟なんて1歳です。分かる訳、ありません。

案の定、10回クイズどころか、間違えるであろう答えすら

答えられず、素で間違える始末。

何もおもしろくないので、大人で試すと見事にひっかかり、

10回クイズ考えた人、天才やと思いながら

さんざん遊んで眠りにつきました。

 

次の日の朝、一階に降りたところ、

椅子に座った母親の手に10回クイズの本が。

何やろうと見ると、右手にはマジックペン。

 

それ、僕のんちゃうで!!と

強い勢いで言ったのですが、もう手遅れ。

背表紙に僕の名字の一部「なか」と書かれていました。

 

無くしたらあかんから、

名前を書いとかなあかんと思ったから、

というのが母の言い分でした。

 

どうしよう。

みんなに怒られる。

 

その感じに気付いたのか

母が機転を利かせ、「そうや!」と声をあげました。

「なか」のあとに「よし」と書きました。

「なかよし」

背表紙のどの字よりも大きな字で。

 

なんでしょうか。

これだったら名字全部を書いてくれた方が

よっぽどマシです。

しかも「なかよし」て。

本当に仲が良いなら、そんなこと書かないでしょう。

 

いつもの駐車場。

なんて言おうかと結局答えが浮かばず、

ノーアイデアで次の番のコウジくんに渡しました。

 

でも、誰も気づかないのです。

あれだけデカデカと「なかよし」という文字があるのに。

もうこのまま黙っておこうと心に決め、

その場をやり過ごしました。

 

夜、コウジくんから電話がありました。

やっぱりばれた!

ドキドキしながら受話器に耳をつけると

「これ、めっちゃおもろいなー」という

感動の共有でした。

 

結局、誰からも突っ込まれずに

記憶の彼方へと葬り去られています。

 

毎年夏になると、あのドキドキ感が思い出されます。

あの本はどこにいったんですかね。