勘違い
「おー、久しぶりやな!」
前から歩いてきたおじさんが
ちょっと離れた距離から言う。
「元気やったか!?」
僕の斜め後ろを歩いているおじさんも
それに呼応するように言う。
距離が縮まり、いよいよ対面。
しかし、すぐに変な空気に。
ペコペコと頭を下げ合い、
双方、人違いだったことを謝る。
お互い似ている人だったようです。
奇跡以外の何物でもありません。
知ってる人と会うよりも
確率は低いでしょうに。
僕も後ろからヘッドロックされ
アベちゃーんとほおずりされたことや、
「やっぱりな」と指を差されたのに
人違いだったことはありますが、
僕までが間違えるなんて、
さすがにありません。
これも人と人との触れ合いが
為すものでしょうか。
まあ、知らない人にほおずりをされるのは
避けたいものです。