男は勇気が無いとあかんぞ、と言われた話

とある飲食店の
オーナー店長をしていた
友達のお父さん。

毛深くて、腕が太くて
とても頼もしい雰囲気を
醸し出していました。

頼もしいエピソード。

友達の家の近くで
サッカーボールを蹴りあっていたとき、
つい変なところにボールが転がり
軽トラの下へ。

たまたま帰宅してきた
オーナー父さんが
よし、と行って軽トラの荷台の下に
おもむろに手を入れ、
フンッと持ち上げました。

人間？と不思議な気分になりましたね。

ある日曜日、
オーナー父さんの店で
夜ご飯をいただくことになり、
僕と友達がカウンターに座って
カラアゲを食べていました。

オーナー父さんが
「男はな、勇気が無いとあかんぞ」と
急に何の脈絡もなく言いました。
その言葉が、本当に力強くて
当時、友達とブームになりました。

時は経ち、今、東京から帰りで
京阪電車に乗っています。

目の前にオーナー父さんが。

組合か何かの会合の帰りで
4人グループのようです。

一人で幹事長がどうだ、
オムラさんのカツラがどうだと
しゃべっています。

残りの3人は
一切反応せずに寝ています。

ふと、カラアゲの味を思い出しました。
また食べたいなあ。