今日見かけた救急車、あれはホンモノですか?(仮)

ハッとしたことを何事も無かったかのように伝えるブログ

変人、家を買う。その6

担当してくれた営業マンは

本当にしっかりしている。

 

どんな質問でも

すぐに答えてくれるのだ。

 

論理的でわかりやすい。

熱心で親身。

ほどよく押しも強い。

 

一通り、物件の話を終え、

お金の話になった。

 

軽い気持ちで立ち寄ったことや

手が届くような価格とは思えなかったこともあり、

ゆめから目が覚めたように思えた。

 

資金計画の話では、

まず今住んでいるマンションが

どの程度の価格になるのか

査定しなければならないそうだ。

 

営業さん曰く、

結構良い値段がつくと思いますよと言う

満面の笑みを見て

あながち夢物語ではないんじゃないかと

夫婦して期待値が高まる。

 

 

昔、PCエンジンハドソンから発売され、

カトちゃんケンちゃんが大流行。

落ち着いた頃にNECから

世界初のCDロムを使ったCDロムロムという

ハードが発売された。

 

これは画期的で、

PC エンジンと互換性がある

ハードだった。

 

僕は欲しくて欲しくてたまらなかった。

でも、その時代で3〜4万円したと思う。

小太りの小学生にプレゼントするほど

子煩悩な親ではなかった。

 

が、父親と入浴中

CDロムロムを熱弁したところ、

ドリフが好きだったこともあり

まんざらでも無い顔をしていた。

むしろ、興味示して質問してきたくらい。

 

今月はクリスマス。

もしかして、もしかするぞ。

エアーCDロムロムをしてみたり

高橋名人のイベントに行ってみたり

あんなに、一日一日を噛み締めて生きたことは

後にも先にもないほど、12月24日を待ちわびた。

 

12月24日。

 

21時頃、ドキドキしながらも

いつの間にか眠っていた。

 

夜が明ける前の薄暗闇の中、

誰かが枕元に。

大きな箱を、ソッと置き

忍び足で立ち去っていった。

 

見たい。

見たくて見たくてたまらない。

うっすら目を開け枕元に視線を向けると

CDの文字が。

 

嬉しくて泣いたのは

後にも先にも無い。

もう声を殺して泣いた。

 

夜が明け、箱を見た。

英語の文字が書かれた箱だ。

大急ぎで開ける。

取り出すと、正方形の機械が一つ。

縦長のスピーカーが二つ。

 

説明書を探し、開くと

全文英語。

何が書いてあるか、全くわからない。

だって小学生だから。

 

たった一つ分かったことは

これがCDロムロムでは無いということ。

のちのちに分かったのは、

コンポという代物だった。

 

悔しくて仕方がなかったので

とりあえず電源を入れてみた。

CDがないので、ラジオをつけると

ハドソン所属の高橋名人

いろんな自慢話をしていた。

 

 

今回こそ、期待ハズレにならないことを

切に望んだ40歳の春。